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動脈硬化とは血管の壁に脂肪などが沈着して厚くなり、血液が流れにくくなる
状態の事いいます。
コレステロールや動物性脂肪の取り過ぎが原因として
思い浮かべられますが、それだけでしょうか?
いいえ、実は、カルシウム不足も関係していたのです。 |
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動脈は、酸素や栄養を豊富に含んだ血液を心臓から全身にくまなく送るための血管です。
動脈硬化は、高脂血症や高血圧、糖尿病、高尿酸血症などの誘因が重なることによって動脈の血管が
狭くなったり、弾力性を失ったりして、血液が流れにくくなる状態です。
送られてくる血液が少なくなった臓器や組織の機能は低下し、さらに進行すると狭くなった血管に血の
かたまり(血栓)などがつまり、その先へ血液が少なくなった臓器や組織の機能は低下し、さらに
進行すると狭くなった血管に血のかたまり(血栓)などがつまり、その先へ血液が流れなくなって
しますこと(この状態を梗塞といいます。)があります。また、血管の弾力性がなくなることによって
血圧の変化に対応できなくなり動脈が破れてしまうこともあります。
このようなことは、全身の動脈に起こる可能性があります。 |
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動脈硬化をおこした血管は高血圧にも影響され血管壁が硬くなり弾力性も失われてもろく壊れやすく
なります。症状が進むと日本人の死因第2位である狭心症、心筋梗塞などの心臓病、第3位である脳
卒中の発作など命の危険にさらされる事もあります。 |
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動脈硬化の中で最も多いのが粥状動脈硬化とよばれるもので、その名の通り、粥状のドロドロした魂が
血管の内側にへばりつきます。この魂は主にコレステロール、動物性脂肪の取り過ぎが原因でたまって
いきます。食事からのコレステロール・動物性脂肪の摂り過ぎ、脂質代謝異常がよく知られた原因ですが
この他、血管壁の中膜とよばれるところに石炭が沈着して動脈硬化をおこすものもあります。
このとき沈着するのがカルシウムなのです。 |
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では、この沈着はカルシウムの取りすぎによって起こるのでしょうか?
いいえ、その逆です。カルシウムは私達の体の中で、99%は骨や歯に貯蔵されていますが、残りは血液中にあり、生命維持の為常に一定量を保っています。カルシウムが不足すると、血液中のカルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度を一定に保つため、副甲状腺ホルモンの動きによって、骨からカル
シウムをとりだします。
これをカルシウムパラドックスといいます。(高血圧とカルシウムの項参照)
このとき、血液中に余分に流れ出たカルシウムの一部が血管の中膜に沈着するのです。
また、血管の細胞内にカルシウムが増えると筋肉が収縮し、高血圧も引き起こします。
それによって血管に小さな傷がつきやすくなり、その傷からコレステロールが侵入したり、傷を修復しようと血小板が増えて血管が狭くなり、そこにまたコレステロールやカルシウムが沈着し、動脈硬化を促進
させるのです。 |
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最近、過酸化脂質によって細胞膜が傷つけられる事も動脈硬化の一因とされていますが、このとき傷ついた細胞膜にカルシウムが取り込まれやすく、カルシウムパラドックスによる動脈硬化を助長しているのです。
ビタミンCやEなどのビタミン類、カテキンイソフラボン、フラボノイドなどのポリフェノールを体内に取り入れ、過酸化脂質の働きを抑えるとともに、カルシウムを十分とる事が大切です。 |
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人生で最も骨密度の高い時期をボーン・マスといいます。
若い頃から骨は貯蔵されていき30歳前後でピークを迎えると言われていましてが、最近では
20歳前後とも言われています。ボーン・ピーク・マスの時期を過ぎると骨は貯蔵されないため
除々に減少していきます。ですから、幼少期や青年期にしっかりとカルシウムやその他栄養素を摂り
骨密度の高い骨をつくっておく事が、骨粗鬆症の予防になります。 |
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動脈硬化の予防、治療に、食事療法がとても大切です。
●肥満は動脈硬化の危険因子です。一日のエネルギー摂取量に注意し、食べ過ぎないようにしましょう。
●霜降りの肉、バラ肉、高脂肪牛乳、生クリームなど動物性の脂肪を含んだ食品の摂取を控えましょう。
●食物繊維は小腸でのコレステロール吸収を妨げますので、野菜や海藻類、キノコ類など積極的に食べて
食物繊維をしっかりとりしょう。
●魚に多くふくまれている不飽和脂肪酸には血中のコレステロールを排出させる働きがあるので、
イワシや鯖などの青魚を食べましょう。
●カルシウム不足にならないために、乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、海藻類などから
カルシウムを摂取するようにしましょう。
乳製品はカルシウム含有量が多く、吸収もよいのですが、動物性脂肪も多く含まれますので摂り過ぎには注意しましょう。
補助的にサプリメントを利用するのもよいでしょう。 |
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適度な運動で動脈硬化そのものはもちろん、動脈硬化の危険因子である
高血圧、糖尿病、高脂血症などの予防も期待できます。
ウオーキングなどの軽い運動を1回20分〜30分、週2〜3回のペースから行いましょう。
ただ、すでに動脈硬化が進行している方、狭心症や心臓病を発病されている方などは注意して行いましょう。 |
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ストレスは動脈硬化の危険因子とされています。
長期間のストレスにさらされると、血液循環が不活発になり血液が固まりやすくなったり、
血管が傷つきやすくなったりします。無用なストレスをつくらない、ためない事が大切ですが、カルシウムには
精神を安定させ、ストレス対策のためにもぜひカルシウムをしっかり摂取していただきたいものです。 |
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